『86(エイティシックス)』を読んで、衝撃に震えた夜のこと。

こんにちはー!

 

今回は、最近読んだっていうわけじゃないんですけど、近年で一番衝撃的だった作品について。

 

もう、『86(エイティシックス)』しかないでしょうよおおおおおおおおおお!!!!

 

この作品は本当にすごかったなー、大好きって人、めちゃくちゃ多いと思いますけどね、(「このライトノベルがすごい」とかでも、二位とかとっていたし)ご多分に漏れずにというかね、私もその一人なわけですな。

 

テーマが本当に重厚ですよねぇ。

電撃大賞の大賞受賞作品なんですけど、納得も納得。

個人的には、異世界転生ものとか、そういうネット文化要素の強い作品は、(それらの作品群を下敷きにした新しいものであったとしても)ネットから。新人賞からは、こういうネット的なライトさからかけ離れた生まれるカオスを、バンバン出していってほしいと思ってるんですよね。

 

差別され、「人間でないのだから、彼らの乗っている機体は有人機ではない。どんなに過酷な戦闘を強いたところで、問題はない」……狂った、あるいは、現実の人類史が時に行ってきてしまった「ある時代の正常」を元にしたような考えのもとに前線に徴収される、86と呼ばれる被差別者たち。

 

彼らの親には、祖国への思い出があった。彼らの兄たちには、守るべき下の世代の者たちがいた。

でも、両方を持っていない「彼ら」が、それでも戦う理由とは……ていうところで、本当に胸が熱くなるんですよねえ。

 

そこまでの持って生き方もすごく良い。

前線で戦う被差別民と、彼らに指示を出すしかできない司令官。

その距離が近づいていく様子と、埋められない隔たり、運命。

そういったものが、物語を追うごとにきちんと前進していって、読んでいて、引き込まれる。

 

文章自体は、実は好き嫌いが分かれやすいところではあるんです。

重厚さが。

おそらく、文章のリズムというか、文体そのものは、新人賞を受賞したときのまま、ほとんどいじっていないと思うのですが、そういった面での度胸みたいなものも、「腰の据わったもん読んじまったぜ感」を、私の中でこみ上げさせる…………!!!!

 

 

作者は、ホラー映画とかから強く影響を受けているそう。

ただ、コードギアスとかも好きなんじゃないかなぁと推測。

 

あとがきの最後に、BGMというか、テーマソングみたいなのが書いてあったんだけど、

それとは別に、ALI PLOJECTの「勇侠青春謳」が、歌詞も含めて、滅茶苦茶しっくりくるんですよ……読んだ後は、この歌聞いて、私は気分をあげていました。

 

あんまりこういうこと考えるのが嫌な人もいると思うけど……ハリウッド映画だったらどんな感じになるんだろっていう風な妄想にも向いてるのが、私的にグッドでもあったなぁ。

さすがに登場人物全員の年齢は引き上げられちゃいそうだけど。

ただ、そういうこと考えちゃうくらいに、この作品にはライトノベルの枠を超えた、公共性が備わっていると思うんですよね。

 

こういう作品が、今後ももっともっと読めることを願って。

そいでは~!